龍谷大学の編入について調べると、「編入学定員は10学部で147名」という数字を目にする一方で、「実際に試験が行われるのは一部の学部だけ」という情報も出てきて、混乱しやすいのが実情です。実は、2027年度の3年次編入学・転入学試験要項を確認すると、龍谷大学は全10学部で3年次編入学・転入学試験を実施しており、その年度の募集人員は学科・専攻ごとに細かく定められています。本記事では、2027年度要項をもとに、龍谷大学の編入学試験の全体像・募集人員・出願資格・試験科目・日程を正確に整理し、対策の進め方までを解説します。数値は年度で変わるため、出願前には必ず最新の入試要項をご確認ください。
龍谷大学の編入学試験とは(4つの制度の全体像)
龍谷大学の編入・転入に関する試験は、大きく4つの制度に分かれています。2027年度の要項では「3年次編入学・転入学試験」「2年次転入学試験」「社会人編入学・転入学試験」がひとつの要項にまとめて掲載されており、それぞれ対象や出願資格が異なります。まずはこの制度の違いを理解することが、正しい対策の出発点になります。
- 3年次編入学・転入学:大学2年修了(見込み)・短大卒・高専卒などを経て、3年次から入学する最も一般的なルート。全10学部が対象
- 2年次転入学:龍谷大学の在学生などを対象に、2年次から転入する制度(国際学部・先端理工学部・農学部食品栄養学科など)
- 社会人編入学・転入学:一定の年齢・社会人経験を持つ人を対象とする制度(文学部・心理学部・社会学部総合社会学科現代福祉領域)
この記事で主に扱うのは、最も志願者が多く選択肢も広い「3年次編入学・転入学試験」です。短期大学や高等専門学校を卒業した人、あるいは大学2年を修了した人が、3年次から龍谷大学へ入学する際の中心的なルートがこの制度にあたります。ここで重要なのは、龍谷大学の3年次編入学・転入学試験が、2027年度要項において全10学部(文学部・心理学部・経済学部・経営学部・法学部・政策学部・国際学部・社会学部・先端理工学部・農学部)で実施されているという点です。「一部の学部でしか行われていない」という理解は、最新の要項に照らすと正確ではありません。
本記事の数値は、龍谷大学が公開した2027年度の3年次編入学・転入学試験要項に基づいています。ただし、募集人員・日程・出願資格は年度によって変更される可能性があります。実際に出願を検討する際は、必ず龍谷大学の入試情報サイトで最新の要項を確認してください。
2027年度の募集学部・学科と募集人員(全10学部)
2027年度の龍谷大学3年次編入学・転入学試験の募集人員を、学部・学科/課程・専攻ごとに整理すると次のとおりです。なお、この募集人員には指定校推薦編入学試験の枠が含まれます。文学部・心理学部および社会学部現代福祉領域の募集人員には、社会人編転入学の枠(各学部・学科・専攻・領域とも若干名)も含まれます。
| 学部 | 学科/課程・専攻 | 3年次編転入学 募集人員 |
|---|---|---|
| 文学部 | 真宗学科 | 6名 |
| 仏教学科 | 3名 | |
| 哲学科(哲学専攻/教育学専攻) | 各1名 | |
| 歴史学科(日本史・東洋史・仏教史・文化遺産学の各専攻) | 各1名 | |
| 日本語日本文学科 | 1名 | |
| 英語英米文学科 | 1名 | |
| (文学部小計) | 17名 | |
| 心理学部 | 心理学科 | 10名 |
| 経済学部 | 現代経済学科 | 6名 |
| 国際経済学科 | 5名 | |
| 経営学部 | 経営学科 | 3名 |
| 商学科 | 2名 | |
| 法学部 | 法律学科 | 5名 |
| 政策学部 | 政策学科 | 3名 |
| 国際学部 | 国際文化学科 | 15名 |
| グローバルスタディーズ学科 | 3名 | |
| 社会学部 | 総合社会学科(現代社会・文化メディア・健康スポーツ社会・現代福祉の各領域) | 10名 |
| 先端理工学部 | 6課程(数理情報・知能情報メディア・電子情報通信・機械ロボ・応用化学・環境科学) | 8名 |
| 農学部 | 生命科学・農学・食品栄養・食料農業システムの各学科 | 4名 |
全10学部の3年次編入学・転入学の募集人員を合計すると、2027年度はおよそ91名になります(指定校推薦編入学を含む)。学部別に見ると、国際学部(国際文化学科15名+グローバルスタディーズ学科3名で18名)と文学部(合計17名)が大きく、続いて経済学部(11名)、心理学部・社会学部(各10名)と続きます。募集が最も小さいのは政策学部(3名)や農学部(4名)です。
- 募集が大きい学部:国際学部18名/文学部17名/経済学部11名
- 募集が小さい学部:政策学部3名/農学部4名/経営学部5名/法学部5名
このように、龍谷大学の編入は学科・専攻単位で募集人員が細かく設定されているのが特徴です。同じ文学部でも真宗学科は6名、日本語日本文学科は1名というように、専攻によって枠が大きく異なります。志望する学科・専攻の枠を正確に把握することが、現実的な合格可能性を見積もる第一歩です。
なお、募集人員が1名や若干名の学科・専攻は、その年度の志願状況によって競争度が大きく変わります。枠が小さいからといって必ずしも難関とは限りませんが、逆に「1名しか採らない」年もあり得るということです。募集人員の数字だけで難易度を判断せず、志望専攻の専門科目や小論文でしっかり得点できる実力を、余裕を持って仕上げておくことが重要です。数字はあくまで目安と捉え、自分の準備の完成度で勝負する姿勢を持ちましょう。
「編入学定員147名」と実際の募集人員の関係
龍谷大学の編入を語るとき、しばしば「10学部で編入学定員147名」という数字が引用されます。これは学則上に定められた恒常的な編入学定員に基づくもので、過去に公表されていた数字です。一方で、本記事の前章で示した「2027年度のおよそ91名」は、その年度の要項に明記された実際の年度募集人員です。この二つは性格が異なる数字であり、必ずしも一致しません。
なぜ差が生じるのかというと、学則上の「編入学定員」はあくまで制度上の上限的な枠組みであり、実際に各年度で募集する人員は要項でその都度定められるためです。したがって、「147名」という数字だけを見て「毎年147名が合格できる」と考えるのは誤りです。実際に何名募集されるかは、その年度の要項に記載された募集人員を確認する必要があります。
- 編入学定員(147名):学則ベースの恒常的な枠組み。過去に公表された数字
- 年度募集人員(2027年度は約91名):その年度の要項に明記された実際の募集人員(指定校推薦含む)
また、かつては「龍谷大学で3年次編入学試験を実施しているのは一部の学部だけ」という理解が広まっていた時期もありました。しかし2027年度要項を確認すると、全10学部で3年次編入学・転入学試験が実施されています。情報は年度で更新されるため、古いまとめ情報ではなく、必ずその年度の一次情報(龍谷大学の入試要項)で確認することが大切です。この記事も、あくまで2027年度要項時点の情報である点にご留意ください。
出願資格の6区分(3年次編入学・転入学)
龍谷大学の3年次編入学・転入学試験(全学部、学科/課程・専攻)の出願資格は、次の⑴から⑹のいずれかに該当することが必要です。これは2027年度要項に明記された区分で、自分がどの区分に該当するかを最初に確認しておきましょう。
- ⑴ 大学に2年以上在学した者、または2027年3月に2年次修了見込みの者(各学部の出願条件を満たすことが前提)
- ⑵ 短期大学を卒業した者、または2027年3月に卒業見込みの者
- ⑶ 高等専門学校を卒業した者、または2027年3月に卒業見込みの者
- ⑷ 専修学校の専門課程(修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上等の基準を満たすもの)を修了した者、または2027年3月修了見込みの者(大学入学資格を有する者に限る)
- ⑸ 高等学校の専攻科の課程(修業年限2年以上等の基準を満たすもの)を修了した者、または2027年3月修了見込みの者(大学入学資格を有する者に限る)
- ⑹ その他、本学において⑴⑵と同等以上の学力があると認める者
ここで注意したいのが、⑷(専修学校専門課程)と⑸(高等学校専攻科)の資格で出願できるのは、文学部・心理学部・政策学部・国際学部・社会学部・先端理工学部・農学部の7学部に限られる、という点です。つまり、経済学部・経営学部・法学部を専修学校専門課程や高校専攻科の資格だけで受けることはできません。自分の出身課程と志望学部の組み合わせが可能かを、要項で必ず確認してください。
- すべきこと:自分がどの区分に該当するかを確認し、特に専修学校・高校専攻科出身の場合は志望学部が対象7学部に含まれるかを確認する
- してはいけないこと:出願資格の区分を確認せずに対策を始め、出願段階で資格要件を満たさないと判明する
なお、龍谷大学の在学生については、同一学科・専攻への転入学は認められません(学科が同じでも専攻が異なれば転入学は可能)。また、社会学部への出願は、区分にかかわらず、後述する英語資格(スコア)のいずれかを満たすことが条件となる点にも注意が必要です。
出願条件(修得単位数)を確認する
出願資格に加えて、龍谷大学の3年次編入学・転入学には「出願条件」として修得単位数の基準が設けられています。多くの学部で共通しているのは、「大学に2年以上在学し62単位以上修得済み、または本学3年次転入学時に62単位以上修得見込み」という条件です。大学2年に在学している場合は、「2年次修了時に62単位以上修得見込み」であることが条件になります。
この62単位という基準は、3年次から編入して2年間で卒業要件を満たすために必要な土台となる単位数です。ここで学部によって扱いが分かれるのが、「卒業要件に定める単位に限るかどうか」です。文学部・心理学部・経済学部・社会学部・先端理工学部では、当該大学が卒業要件に定める単位の有無を問わず単位数をカウントします。一方、経営学部・法学部・政策学部・国際学部・農学部では、卒業要件に定める単位に限ってカウントされます。
- すべきこと:現在の修得単位数と、編入時までに62単位を満たせる見込みかを早めに確認する
- してはいけないこと:単位数の基準を確認せず、出願時点で条件を満たさないまま準備を進める
たとえば、経営学部を志望する場合、卒業要件に含まれる単位で62単位を満たす必要があるため、教養科目や自由科目の扱いに注意が必要です。単位修得見込みで合格しても、実際にその単位が取得できなかった場合は入学が取り消されるため、確実に単位を満たせる履修計画を立てておくことが重要です。
学部別の試験科目(2027年度)
龍谷大学の3年次編入学・転入学試験は、学部によって試験科目が異なります。2027年度要項に基づいて整理すると、多くの学部が「専門科目(または小論文)+外国語(英語)+面接」という構成ですが、社会学部のように英語を独立試験としない学部もあります。志望学部の科目を正確に把握しておきましょう。
| 学部 | 主な試験科目(3年次編入学・転入学) |
|---|---|
| 文学部 | 専門科目(各学科・専攻により異なる)+英語+面接 |
| 心理学部 | 専門科目(心理学)+英語+面接 |
| 経済学部 | 専門科目(経済学)+英語+面接 |
| 経営学部 | 小論文(経営学・会計学)+英語+面接 |
| 法学部 | 専門科目(法学)+英語+面接 |
| 政策学部 | 小論文+英語+面接 |
| 国際学部 | 小論文+英語(資格スコア提出可)+面接 |
| 社会学部 | 小論文+面接(英語は出願時に資格スコア提出) |
| 先端理工学部 | 専門科目Ⅰ・Ⅱ+英語+面接 |
| 農学部 | 専門科目(Ⅰ・Ⅱ)+英語+面接 |
この表から分かるのは、龍谷大学の編入では「専門科目(または小論文)」「外国語(英語)」「面接」の3要素が基本になっているということです。ただし、専門科目は「専門課程履修に必要な基礎的素養」を問うものとされており、その学部で学ぶうえで前提となる基礎知識が中心です。理系の先端理工学部・農学部は専門科目がⅠ・Ⅱの2段階に分かれ、より踏み込んだ内容が問われます。
- 専門科目型:文学部・心理学部・経済学部・法学部・先端理工学部・農学部(分野の基礎知識を筆記で問う)
- 小論文型:経営学部・政策学部・国際学部・社会学部(論理的な文章表現力を問う)
たとえば経済学部なら「経済学」、心理学部なら「心理学」といった専門科目が課され、いずれも専門課程を学ぶための基礎素養が問われます。一方、政策学部・国際学部・社会学部は小論文中心で、思考力・論理性・文章構成力が評価されます。志望学部がどちらのタイプかで、日々の準備の中身が大きく変わります。
文学部の編入(真宗・仏教から文学・歴史まで)
文学部は、龍谷大学の編入の中でも募集人員が大きく(2027年度で合計17名)、学科・専攻の種類が最も多い学部です。真宗学科(6名)・仏教学科(3名)を筆頭に、哲学科(哲学専攻・教育学専攻)、歴史学科(日本史・東洋史・仏教史・文化遺産学の各専攻)、日本語日本文学科、英語英米文学科と、多彩な専攻が募集を行っています。龍谷大学は浄土真宗の建学の精神を持つ大学であり、真宗学・仏教学の枠が大きいのが特徴です。
文学部の試験は、専門科目(学科・専攻により異なる)+英語+面接で構成されます。専門科目は志望する専攻の基礎的素養を問うため、真宗学なら仏教・真宗の基礎、歴史学なら史料読解と歴史知識、日本語日本文学なら文学作品の理解というように、専攻ごとに準備の重心が変わります。まず志望専攻を明確にし、その専攻で問われる基礎を固めることが不可欠です。
- すべきこと:志望する学科・専攻を早期に決め、その専攻の専門科目と英語をバランスよく準備する
- してはいけないこと:文学部全体を漠然と対策し、専攻ごとに異なる専門科目の傾向を把握しないまま臨む
たとえば歴史学科の日本史学専攻を志望するなら、日本史の通史的な知識に加え、史料を読み解く力が問われる可能性があります。面接では「なぜこの専攻を学びたいのか」が問われるため、志望専攻での研究関心を具体的に語れるよう準備しておきましょう。専攻ごとに募集が1名という枠も多いため、志望動機の一貫性と専門基礎の完成度が合否を分けます。
経済学部・経営学部の編入
経済学部は現代経済学科(6名)と国際経済学科(5名)の合計11名、経営学部は経営学科(3名)と商学科(2名)の合計5名を募集します(2027年度)。いずれも社会科学系の学部で、社会や経済の動きに関心があり、専門的に学びたい人に向いています。ここで注意したいのは、経済学部と経営学部で試験科目が異なる点です。
経済学部は「経済学」の専門科目+英語+面接、経営学部は「経営学(会計学を含む)に関する小論文」+英語+面接という構成です。経済学部は経済学の基礎知識を問う筆記が中心であるのに対し、経営学部は小論文形式で経営・会計に関する論述力を問います。同じ社会科学系でも、求められる力が「知識の筆記」か「論述」かで分かれるため、対策の方向性を間違えないことが重要です。
- 経済学部:経済学の基礎知識を筆記で問う。ミクロ・マクロの基礎理解が土台
- 経営学部:経営学・会計学に関する小論文。論点を整理して論じる力が必要
なお、経済学部では所属学科(現代経済学科か国際経済学科か)が、出願書類・学科試験・面接を総合して合否判定時に決定されます。そのため、希望する学科に必ず所属できるとは限らない点に注意が必要です。たとえば「国際経済を学びたい」という志望動機を明確に持ちつつ、経済学全般の基礎を固めておくことが、どちらの学科になっても対応できる準備になります。
法学部・政策学部・社会学部の編入
法学部(法律学科5名)、政策学部(政策学科3名)、社会学部(総合社会学科10名)は、いずれも現代社会の課題に向き合う社会科学系の学部ですが、試験科目のタイプが異なります。法学部は「法学」の専門科目+英語+面接、政策学部は「小論文」+英語+面接、社会学部は「小論文」+面接(英語は出願時に資格スコアを提出)という構成です。
法学部を志望する場合は、法学の基礎知識を体系的に整理しておく必要があります。憲法・民法など基幹分野の考え方を理解し、専門課程で学ぶための素養を身につけましょう。政策学部・社会学部は小論文中心で、社会課題に対する自分の考えを論理的にまとめる力が問われます。日頃から時事問題に関心を持ち、賛否のある論点について自分の意見を筋道立てて書く練習が有効です。
- すべきこと:法学部は法学の基礎、政策・社会学部は小論文の論述力を、志望学部に合わせて重点的に鍛える
- してはいけないこと:社会学部の英語資格要件を見落とし、出願時にスコアが用意できていない
特に社会学部は、出願にあたって英語の資格(スコア)が必須である点に注意が必要です。実用英語技能検定(CSEスコア1,850点以上)、GTEC810点以上、TOEIC L&R400点以上など、複数の検定のいずれかを満たす必要があります(2024年4月1日以降に受験したものが有効)。これらのスコアは取得に時間がかかるため、社会学部を志望するなら早めに英語資格の準備に着手しましょう。
国際学部の編入(英語資格の扱いに注意)
国際学部は、国際文化学科(15名)とグローバルスタディーズ学科(3名)を募集します(2027年度)。国際文化学科の15名は、龍谷大学の編入の中でも最大級の枠です。試験は「小論文+外国語(英語)+面接」で、国際的な視野と語学力、そして学ぶ意欲が総合的に問われます。
国際学部で特徴的なのが、グローバルスタディーズ学科の英語の扱いです。出願書類に定める英語の資格(スコア)のいずれかを提出した者は、試験の「英語」を満点として採点するため、当日の英語試験を受験する必要がありません。つまり、事前に一定の英語スコアを取得しておけば、当日は小論文と面接に集中できます。面接はグローバルスタディーズ学科では日本語と英語を併用して行われます。
- すべきこと:グローバルスタディーズ学科志望なら、出願前に指定の英語スコアの取得を目指す
- してはいけないこと:英語資格の準備を後回しにし、当日の英語試験で不利な状態のまま臨む
たとえば、留学経験や英語学習に力を入れてきた人は、その強みを英語スコアという形で示すことで、当日の負担を減らせます。国際学部は「なぜ国際的な学びを志すのか」という動機が重視されるため、これまでの経験と将来の目標を結びつけた志望理由を準備しておくとよいでしょう。
心理学部の編入
心理学部は心理学科で10名を募集します(2027年度、社会人編入学・転入学の若干名を含む)。試験は「専門科目(心理学)+英語+面接」で、心理学を専門的に学ぶための基礎的素養が問われます。心理学は人気の高い分野であり、編入で心理学を学び直したい、あるいはより専門的に深めたいというニーズに応える選択肢です。
心理学部を志望する際に注意しておきたいのが、公認心理師の受験資格に関する点です。心理学部で公認心理師受験資格課程の履修を希望する場合は、出願前に必ず教務課に相談するよう要項で案内されています。編・転入学以前の科目の修得状況によっては、編入後2年間で所定の科目を修得できない場合があるためです。将来的に公認心理師を目指す人は、この点を出願前に確認しておくことが重要です。
- すべきこと:心理学の基礎(統計・実験・各領域の基礎理論)を固め、公認心理師を目指す場合は事前相談する
- してはいけないこと:資格取得の可否を確認せずに入学し、編入後に必要科目が間に合わないと判明する
たとえば、心理学統計や実験心理学の基礎は、専門科目対策の中核になります。面接では、心理学のどの領域に関心があるのか、なぜ龍谷大学の心理学部なのかを具体的に語れるよう準備しておきましょう。資格取得を見据える場合は、単位認定と履修計画の見通しまで含めて検討することが大切です。
先端理工学部・農学部の編入(理系の専門科目)
理系の先端理工学部(6課程で8名)と農学部(4学科で4名)は、他学部と比べて試験科目が踏み込んだ内容になります。先端理工学部は専門科目Ⅰ・Ⅱ+英語+面接、農学部は専門科目(Ⅰ・Ⅱ)+英語+面接という構成で、専門科目が2段階に分かれているのが特徴です。理系分野の基礎学力をしっかり測る設計になっています。
先端理工学部は課程ごとに専門科目の範囲が明確に定められています。たとえば数理・情報科学課程は「微積分・線形代数・プログラミング」、機械工学・ロボティクス課程は「物理・数学」から「機械力学・材料力学・熱力学」まで、応用化学課程は「化学基礎」から「分析化学・物理化学・無機化学・有機化学」まで、といった具合です。志望課程の出題範囲を要項で確認し、その範囲に絞って基礎から応用まで固めることが合格への近道です。
- すべきこと:志望課程・学科の専門科目Ⅰ・Ⅱの出題範囲を要項で確認し、範囲に沿って体系的に演習する
- してはいけないこと:課程ごとに範囲が違うのに、漠然と理系全般を薄く勉強して的を外す
農学部は生命科学科・農学科が「専門科目(生物学)」、食品栄養学科が「基礎生物化学・生化学・調理学」などの範囲を問うとされています。食品栄養学科では、管理栄養士国家試験受験資格の取得に関わる科目の修得状況によっては、編入後2年間で必要科目を修得できない場合があるため、資格を目指す人は事前確認が欠かせません。理系は範囲が明確なぶん、対策の到達目標を立てやすい学部でもあります。
入試スケジュール(2027年度の2つの日程群)
2027年度の龍谷大学3年次編入学・転入学試験は、大きく2つの日程群に分かれています。先端理工学部だけが夏の早い日程で、それ以外の学部は秋の日程で実施されます。志望学部がどちらの日程かで、準備のスケジュールが大きく変わります。
| 出願学部 | 出願期間(2026年) | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 先端理工学部 | 6月11日〜6月17日 | 2026年7月4日(瀬田キャンパス) | 7月11日 |
| 文学部・心理学部・経済学部・経営学部・法学部・政策学部・国際学部・社会学部・農学部 | 10月1日〜10月8日 | 2026年11月8日 | 11月14日 |
この表のとおり、先端理工学部を志望する人は、2026年6月中旬までに出願を済ませ、7月上旬の試験に向けて準備する必要があります。一方、それ以外の学部(文系学部と農学部)は10月出願・11月試験なので、夏を対策に充てられます。試験会場は、文学部から社会学部までは深草キャンパス、先端理工学部は瀬田キャンパスで実施されます(会場の詳細は要項でご確認ください)。
- すべきこと:志望学部が夏日程(先端理工)か秋日程(その他)かを確認し、そこから逆算して準備を始める
- してはいけないこと:全学部が同じ時期だと思い込み、先端理工の6月出願に間に合わせられない
出願は簡易書留・速達での郵送に限られ、受験ポータルサイトUCAROへの会員登録とWeb出願が必要です。締切日は消印有効とされていますが、書類の準備や証明書の発行には時間がかかるため、締切ぎりぎりではなく余裕を持って出願することをおすすめします。
受験料・出願手続きと注意点
龍谷大学の3年次編入学・転入学試験の受験料は35,000円です(2027年度)。出願期間内にUCAROから所定の方法で納入する必要があり、納入された受験料は原則返還されません(感染症による欠席など一定の場合を除く)。受験料のほかに払込手数料がかかる点にも留意しましょう。
出願書類は、卒業(見込)証明書または修了(見込)証明書、成績証明書、編入学・転入学試験志望理由書(本学所定用紙)などが基本となります。これらは学部・出願区分によって細かく異なるため、要項の「出願書類」の項を精読し、必要書類を一つずつそろえることが重要です。書類に不備や虚偽があると受験できないため、記入は黒色ボールペンで行い、消せるボールペンや修正テープは使用しないよう指定されています。
- すべきこと:証明書の発行日数を見込んで早めに手配し、志望理由書は所定用紙で丁寧に作成する
- してはいけないこと:締切直前に書類を準備し始め、証明書の発行が間に合わず出願できない
たとえば、在籍校の成績証明書は即日発行とは限らず、数日を要することもあります。志望理由書は面接の土台にもなるため、時間をかけて推敲したいところです。参考として、龍谷大学の前年度の入学申込金は100,000円とされており、合格後の手続きにも一定の費用が必要になります。費用面も含めて、早めに全体像を把握しておきましょう。
社会人編入学・2年次転入学という選択肢
龍谷大学には、一般の3年次編入学・転入学のほかに、社会人を対象とした制度と、2年次から転入する制度もあります。自分の状況に応じて、どの制度が該当するかを確認しておきましょう。
社会人編入学・転入学は、文学部・心理学部・社会学部総合社会学科現代福祉領域が対象です。文学部・心理学部の社会人編入学・転入学は、2027年4月1日現在で満25歳に達し、大学2年以上在学・短大卒・高専卒などの学歴要件と、就業者・主婦・寺院関係者などの社会人要件の両方を満たす人が対象です。社会学部現代福祉領域は、入学時に社会人としての経験を3年以上有することが条件です。年齢要件に満たない社会人は、一般の3年次編入学・転入学試験を受験することになります。
- 社会人編入学・転入学:文学部・心理学部・社会学部現代福祉領域が対象。年齢・社会人経験の要件あり
- 2年次転入学:龍谷大学在学生などが対象。国際学部・先端理工学部・農学部食品栄養学科など
2年次転入学は、主に龍谷大学の在学生を対象とした制度で、1年次修了(見込み)で一定の単位を満たす人が対象です。国際学部グローバルスタディーズ学科では、TOEIC L&R600点以上などの英語資格が別途求められます。これらの制度は対象・要件が細かく分かれているため、自分がどの制度に該当するかは、必ず要項で確認してください。
出願前に確認しておきたいチェックリスト
龍谷大学は学部・学科・専攻ごとに条件が細かく異なるため、出願前の確認を怠ると、対策の方向や出願そのものを誤るリスクがあります。志望学部の2027年度要項が手元にそろったら、次の項目を一つずつ確認しましょう。
- 志望する学科・専攻の2027年度の募集人員(1名の枠もあるので正確に)
- 自分が出願資格の6区分のどれに該当するか(特に専修学校・高校専攻科出身は対象7学部かを確認)
- 出願条件(62単位以上、卒業要件単位に限るか否かの学部差)を満たせる見込みか
- 試験科目のタイプ(専門科目か小論文か)と、英語・面接の有無
- 英語資格スコアの要否(社会学部は必須、国際学部グローバルスタディーズは提出で英語満点扱い)
- 出願期間・試験日・会場(先端理工は6月出願・7月試験、その他は10月出願・11月試験)
- 受験料35,000円とUCARO登録・Web出願の手続き
- 必要書類(卒業/修了見込証明書・成績証明書・所定用紙の志望理由書など)と証明書の発行日数
- 編入後の単位認定と、資格取得を目指す場合の履修可否
たとえば、社会学部を志望する人がこのチェックリストを早めに確認すれば、英語資格スコアの取得に時間がかかることに気づき、先に着手できます。逆に確認を怠ると、出願直前になって英語スコアが用意できていないと判明する、といった事態になりかねません。チェックリストは、学部差による思い込みの失敗を防ぐ最も確実な道具です。
編入学試験と一般入試の違いを理解する
龍谷大学の編入対策を考える前提として、編入学試験が一般入試とどう違うのかを整理しておきましょう。一般入試は多くの科目を横断的に問うのが特徴であるのに対し、編入学試験は志望学部の専門科目や小論文、外国語、面接、書類で選抜されることが多く、問われる範囲が専門分野中心に絞られる傾向があります。
この違いは、対策の設計に直接影響します。一般入試のように幅広い科目を満遍なく仕上げる必要はない一方で、志望分野の基礎や論述力は深く問われます。また、学科・専攻ごとに募集人員が少ないため、一般入試とは異なる情報収集と戦略が求められます。編入は「科目数は絞られるが、専門と志望動機の深さで勝負する試験」だと捉えると、準備の方向性が定まりやすくなります。
- 一般入試との違い:問われる範囲が専門分野中心で、小論文・面接・書類の比重が高い
- 共通する点:正確な情報収集と計画的な準備が結果を左右する
たとえば、特定分野への関心や強みがある人は、その分野に時間を集中投下できる編入という入口が有利に働きます。一方で、専門の深さと志望動機の一貫性が問われるため、「なんとなく」の受験では通用しにくいのも編入の特徴です。自分の強みを活かせる入口として編入を選ぶ、という発想が大切です。
倍率・難易度の考え方(募集人員だけで判断しない)
編入試験の難易度を考えるとき、募集人員だけを見て判断するのは危険です。龍谷大学のように学科・専攻ごとに募集人員が細かく分かれている場合、「1名募集」でも志願者が少なければ倍率は低く、逆に「10名募集」でも人気が集中すれば倍率は上がります。難易度を正しくつかむには、募集人員・志願者数・合格者数の3つをセットで見る必要があります。
たとえば、同じ「5名募集」でも、志願者が15名いれば倍率は3倍前後、志願者が7名なら2倍未満と、競争の激しさはまったく異なります。募集人員の表面的な数字だけで「入りやすい・入りにくい」を早合点せず、その背後にある志願動向を読み解くことが、現実的な合格可能性の見積もりにつながります。龍谷大学は入試結果を公表している範囲があるため、過去数年分の推移を確認しておくとよいでしょう。
- すべきこと:志望学科・専攻の募集人員・志願者数・合格者数を過去数年分そろえ、倍率の傾向を把握する
- してはいけないこと:募集人員の数字だけを見て、難易度を単純に判断する
また、倍率が高いからといって諦める必要も、低いからといって油断してよいわけでもありません。編入は志願者の層によって実質的な競争度が変わります。数字はあくまで目安と捉え、自分の準備がその学部の選抜方法に対してどこまで仕上がっているかを軸に、志望を判断することが大切です。入試結果は年度により変動するため、最新の公表データを確認しましょう。
対策の進め方と時期設計
龍谷大学の編入対策は、志望学部の試験科目タイプと日程に合わせて設計することが基本です。専門科目型(文学部・心理学部・経済学部・法学部・先端理工学部・農学部)なら専門分野の基礎固めが中心、小論文型(経営学部・政策学部・国際学部・社会学部)なら論述力の養成が中心になります。加えて、多くの学部で英語と面接が課されるため、この2つは共通して準備が必要です。
日程面では、先端理工学部(7月試験)を志望するなら春から夏前にかけて集中的に、それ以外の学部(11月試験)を志望するなら夏を中心に専門・小論文対策を進め、秋に面接・英語の仕上げをする、という流れが現実的です。社会学部・国際学部グローバルスタディーズ学科のように英語資格スコアが関わる場合は、スコア取得に時間がかかるため、最も早く着手すべき項目になります。
- すべきこと:志望学部の科目タイプ・日程・英語資格要件を確認し、着手順を「英語資格→専門/小論文→面接」で組む
- してはいけないこと:面接や英語を直前まで放置し、専門科目だけに時間を使ってしまう
たとえば社会学部志望なら、まず英語資格スコアの取得を目指しつつ、小論文の練習を並行し、秋に面接対策を仕上げる、という順序が考えられます。専門科目・小論文は独学でも進めやすい一方、面接や志望理由書は第三者の目があると精度が上がります。自分の弱点と志望学部の選抜方法を照らし合わせ、時間配分を最適化しましょう。
併願戦略と情報収集の進め方
編入試験は一般入試と比べて募集人員が少なく、学科・専攻によっては1名という枠もあります。そのため、一つの大学・学部だけに絞ると合格の可能性が読みにくくなります。多くの受験生が、複数の大学・学部を併願して合格の機会を広げる戦略を取ります。龍谷大学の中でも、日程が異なる学部同士(先端理工学部の夏日程と、その他学部の秋日程)を組み合わせることは理論上可能ですが、志望分野が大きく異なる併願は現実的でない場合もあります。
併願を考える際は、試験日・出願期間・試験科目の重なりを整理することが重要です。龍谷大学は文系学部の多くが同一日程(11月8日)で実施されるため、龍谷大学内で複数の文系学部を同時に受けることはできません。したがって、龍谷大学は第一志望の1学部に絞り、他大学の編入試験と組み合わせて併願枠を確保する、という戦略が現実的です。それぞれの出願書類と対策を並行して進める段取りを、早めに立てておきましょう。
- すべきこと:龍谷大学の志望学部を1つに絞り、日程の異なる他大学と組み合わせて併願機会を確保する
- してはいけないこと:同一日程の学部を複数受けられると誤解し、併願計画が破綻する
情報収集の基本は、龍谷大学の公式入試情報サイトと、その年度の3年次編入学・転入学試験要項です。まとめサイトや口コミは参考程度にとどめ、募集人員・出願資格・試験科目・日程・英語資格要件といった合否に直結する事実は、必ず一次情報で確認しましょう。要項は年度ごとに更新されるため、志望を固めたら最新版を入手し、変更点がないかをチェックする習慣をつけると、思わぬ出遅れを防げます。
よくある失敗と合格に近づくコツ
龍谷大学の編入を目指す人がつまずきやすいポイントには、共通のパターンがあります。ここでは代表的な失敗と、その裏返しである成功のコツを整理します。いずれも、要項を早期に精読していれば防げるものです。
- 失敗①:「編入定員147名」の数字だけを見て合格しやすいと誤解し、実際の学科別募集人員(1〜数名の枠も多い)を確認しない
- 失敗②:試験科目のタイプ(専門科目か小論文か)を確認せず、対策の方向を間違える
- 失敗③:社会学部・国際学部の英語資格要件を見落とし、出願時にスコアが間に合わない
- 失敗④:先端理工学部の夏日程(7月試験)を秋だと思い込み、準備が間に合わない
これらの失敗の共通点は、「学部・学科ごとに条件が違う」という龍谷大学の特性を軽視したことにあります。逆に、合格に近づくコツは、①志望する学科・専攻を早く決める、②2027年度要項で募集人員・出願資格・試験科目・日程・英語資格要件を正確に把握する、③選抜のタイプに合わせて対策の時間配分を最適化する、の3点に集約されます。
たとえば、文学部の特定専攻(募集1名)を志望するなら、その専攻の専門科目を深く仕上げ、志望理由の一貫性を磨くことが重要です。国際学部志望なら英語スコアを早期に確保し、当日を小論文と面接に集中できる状態を作る、という戦略が有効です。正確な一次情報の把握が、そのまま合格可能性を高める行動になります。
龍谷大学に編入するメリットと向いている人
龍谷大学は、京都・滋賀に複数のキャンパスを持ち、文系から理系・農学まで幅広い学部を擁する総合大学です。浄土真宗の建学の精神を基盤にしつつ、心理学部・先端理工学部・農学部・国際学部など時代の需要に応える学部を展開しているのが特徴です。編入によって龍谷大学へ進学するメリットは、多様な学部・学科の中から自分の学びたい分野を選び、3年次から専門的に学べる点にあります。
編入が向いているのは、学びたい分野が明確で、その分野を龍谷大学の特定の学科・専攻で学ぶ理由を語れる人です。特に文学部の真宗学・仏教学のように、龍谷大学ならではの伝統ある分野を志す人にとっては、有力な進学先になります。一方で、目的が曖昧なまま「大学名を変えたい」という動機だけでは、小論文・面接・志望理由書が重視される選考で評価されにくくなります。
- 向いている人:学びたい学科・専攻が明確で、これまでの学びを次の段階へつなげたい人
- 慎重に検討すべき人:目的が曖昧で、単位認定や入学後の学修計画を確認していない人
たとえば、短期大学で心理学の基礎に触れ、より専門的に学びたいと考える人が心理学部へ編入するケースは、動機と進路が自然につながります。自分の目的と、龍谷大学の各学科で学べる内容が本当に合致しているかを、志望前に丁寧に確認することが大切です。
面接・小論文で評価されるポイント
龍谷大学の編入では、ほぼすべての学部で面接が課され、多くの学部で小論文または専門科目の筆記が課されます。面接で評価されるのは、志望する学科・専攻への明確な動機と学修意欲、そして各学部のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)への理解です。要項でも、面接は「アドミッション・ポリシーへの深い理解を前提として」行うと明記されています。
したがって、面接前には志望学部・学科のアドミッション・ポリシーを必ず読み込み、自分の志望動機とどう重なるかを整理しておくことが重要です。たとえば「なぜ龍谷大学のこの学科なのか」「編入後に何を学び、どう活かしたいのか」を、自分の経験と結びつけて具体的に語れると説得力が高まります。抽象的な憧れではなく、これまでの学びの延長として志望を語れるかが分かれ目です。
- すべきこと:志望学部のアドミッション・ポリシーを読み込み、自分の経験と志望動機を一本の線でつなぐ
- してはいけないこと:大学案内の言葉をなぞっただけの、誰にでも当てはまる志望動機で臨む
小論文が課される学部(経営学部・政策学部・国際学部・社会学部)では、思考力・論理性・文章構成力が評価されます。与えられたテーマに対して、自分の主張を根拠とともに筋道立てて述べる力が問われるため、日頃から社会課題について自分の意見を書く練習を重ねておきましょう。書いた小論文を第三者に読んでもらい、論理の飛躍や根拠の弱さを指摘してもらうと、精度が上がります。
志望理由書の作り方(龍谷大学の編入で重視される点)
龍谷大学の3年次編入学・転入学試験では、志望理由書(本学所定用紙)が出願書類として求められます。志望理由書は、面接の土台となる重要な書類です。書いた内容について面接で掘り下げられるため、一文一文を自分の言葉で説明できる状態にしておく必要があります。
志望理由書の基本は、「なぜ編入するのか」「なぜ龍谷大学のこの学科・専攻なのか」「入学後に何を学び、将来どう活かすのか」の3点を、一貫した論理でつなぐことです。よくないのは、大学のパンフレットの文言をなぞっただけの抽象的な志望理由です。たとえば「充実した教育環境に惹かれ」だけでは、他の受験生と差がつきません。これに対して「〇〇を学ぶうちに△△という関心が深まり、それを専門的に研究できる環境が龍谷大学のこの学科にある」というように、自分の経験を起点に志望へつなげると説得力が生まれます。
- すべきこと:自分の経験・課題意識を起点に、志望学科でしか学べない具体的な内容へ論理を接続する
- してはいけないこと:大学案内の言葉を並べただけの抽象的な志望理由でまとめる
志望理由書は推敲に時間がかかるため、出願の1〜2か月前には初稿を書き上げ、第三者の目を入れて磨き込むのが理想です。特に龍谷大学は学科・専攻ごとに募集人員が少ないため、志望動機の一貫性と具体性が合否を分ける重要な要素になります。所定用紙の様式に沿って、丁寧に作成しましょう。
単位認定と入学後の学びの見通し
編入学で見落とされがちなのが、「入学後の単位認定」の問題です。3年次編入では、これまで在籍していた大学・短期大学・高等専門学校などで修得した単位の一部が、龍谷大学の卒業要件に認定される場合があります。ただし、認定される単位数や範囲は学部・学科の判断によるため、編入後に想定より多くの授業を履修する必要が生じることもあります。
特に注意が必要なのが、資格取得を目指す場合です。心理学部で公認心理師受験資格課程を希望する場合や、農学部食品栄養学科で管理栄養士国家試験受験資格を目指す場合は、編・転入学以前の科目の修得状況によっては、編入後2年間で所定の科目を修得できないことがあります。これらの学部では、出願前に教務課へ相談するよう要項で案内されています。
- すべきこと:志望学部のカリキュラムと単位認定の見通しを確認し、2年間で卒業要件・資格要件を満たせるか検討する
- してはいけないこと:合格だけをゴールにし、入学後の単位認定・資格取得の可否を全く調べずに進学する
編入は「入って終わり」ではなく「入ってから2年で専門を深めて卒業する」制度です。たとえば資格取得を見据えているなら、必要な科目を2年間で無理なく履修できるかを事前に確認しておくことで、入学後の学修計画に無理がなくなります。志望段階から、卒業までの道筋を描いておくことが大切です。
独学で進めるか、サポートを活用するか
龍谷大学の編入対策は、独学で進めることも可能ですが、面接・小論文・志望理由書といった「第三者の目が必要な要素」が多い点が特徴です。専門科目や小論文の基礎は参考書と演習で自習できても、面接での受け答えや志望理由書の説得力、小論文の論理性は、ひとりで客観的に評価するのが難しい領域です。
また、龍谷大学の編入試験は過去問が広く公開されているとは限らず、出題傾向をどう見積もるかが課題になる場合があります。要項の試験科目欄には「専門課程履修に必要な基礎的素養について試験する」といった記述があり、これを手がかりに、志望分野の基礎を広く固める方針を立てられます。情報の非対称を埋めるために、編入経験者や専門家の知見を借りることは、限られた準備期間を効率的に使ううえで有効です。
- 独学で進めやすい部分:専門科目・小論文の基礎固め、英語の学習、英語資格スコアの取得
- サポートを活用しやすい部分:面接の実践練習、志望理由書・小論文の添削、出題傾向の把握
たとえば、専門科目や英語の学習は独学で進めつつ、面接練習や志望理由書の添削だけを専門家に依頼する、という組み合わせも現実的です。大切なのは、自分の弱点と志望学部の選抜方法を照らし合わせ、どこに外部の力を投じれば合格可能性が最も上がるかを見極めることです。編入は情報と準備の質が問われる試験だからこそ、限られた時間の使い方が結果を左右します。
編入を目指す人の多くは、在籍校の学業や日々の生活と両立しながら準備を進めます。時間が限られているからこそ、「何を自分でやり、何を人に頼るか」の切り分けが、そのまま合格可能性を左右します。まずは2027年度要項を精読して選抜の全体像をつかみ、自分の強みと弱みを棚卸ししたうえで、対策の優先順位を決めていきましょう。正確な一次情報と、選抜方法に合わせた準備の設計。この二つを早期に固めることが、龍谷大学の編入において最も確実な戦略です。
よくある質問
Q. 龍谷大学の編入は本当に全10学部で実施しているのですか?
A. 2027年度の3年次編入学・転入学試験要項では、文学部・心理学部・経済学部・経営学部・法学部・政策学部・国際学部・社会学部・先端理工学部・農学部の全10学部で募集が行われています。かつて「一部の学部のみ実施」と理解されていた時期もありますが、最新の要項では全10学部が対象です。ただし年度で変わる可能性があるため、必ず最新要項でご確認ください。
Q. 「編入学定員147名」と、記事にある「約91名」はどちらが正しいのですか?
A. どちらも異なる性格の数字です。「147名」は学則上の恒常的な編入学定員(過去に公表された枠組み)で、「約91名」は2027年度要項に明記された実際の年度募集人員(指定校推薦編入学を含む)です。実際に何名募集されるかは、その年度の要項の募集人員で確認してください。
Q. 高等専門学校や短期大学からでも出願できますか?
A. 出願資格の区分に「短期大学を卒業した者」「高等専門学校を卒業した者」(いずれも2027年3月卒業見込みを含む)が含まれているため、出願可能です。ただし各学部の出願条件(修得単位数など)を満たす必要があります。
Q. 社会学部を受けるのに英語の資格が必要と聞きましたが本当ですか?
A. はい。社会学部への出願は、出願資格の区分にかかわらず、実用英語技能検定(CSEスコア1,850点以上)、GTEC810点以上、TOEIC L&R400点以上などの英語資格(スコア)のいずれかを満たすことが条件です(2024年4月1日以降に受験したものが有効)。スコア取得には時間がかかるため早めの準備が必要です。
Q. 専修学校の専門課程を出ていますが、どの学部でも受けられますか?
A. 専修学校専門課程の資格(区分⑷)で出願できるのは、文学部・心理学部・政策学部・国際学部・社会学部・先端理工学部・農学部の7学部に限られます。経済学部・経営学部・法学部はこの資格だけでは出願できないため、志望学部が対象に含まれるか確認してください。
Q. 試験はいつ、どこで行われますか?
A. 2027年度は、先端理工学部が2026年7月4日(瀬田キャンパス)、それ以外の文系学部と農学部が2026年11月8日に実施されます。文学部から社会学部までは深草キャンパスが会場です。出願期間も先端理工が6月、その他が10月と分かれているため、志望学部の日程を要項で確認しましょう。
Q. 受験料はいくらですか?
A. 2027年度の受験料は35,000円です。UCAROから出願期間内に納入する必要があり、原則返還されません。受験料のほかに払込手数料もかかります。
Q. 龍谷大学の在学生でも編入・転入できますか?
A. 制度上、2年次転入学などの枠がありますが、龍谷大学の在学生については同一学科・専攻への転入学は認められません(学科が同じでも専攻が異なれば転入学は可能)。自分の在籍状況でどの制度が該当するかは、必ず要項で確認してください。
Q. 文学部はなぜ専攻ごとに募集人員が違うのですか?
A. 文学部は真宗学科・仏教学科・哲学科・歴史学科・日本語日本文学科・英語英米文学科など多くの学科・専攻で構成され、それぞれ独立して募集を行うためです。真宗学科6名のように枠が大きい専攻もあれば、1名の専攻もあります。志望専攻の枠を正確に確認しましょう。
まとめ
龍谷大学の編入学試験は、2027年度要項において全10学部で3年次編入学・転入学試験が実施されており、その年度の募集人員は学科・専攻単位で細かく定められています(合計およそ91名、指定校推薦編入学を含む)。しばしば引用される「編入学定員147名」は学則上の枠組みで、実際の年度募集人員とは性格が異なります。合格に近づくには、①志望する学科・専攻を早く決め、②2027年度要項で募集人員・出願資格の6区分・試験科目・日程・英語資格要件を正確に把握し、③選抜タイプ(専門科目か小論文か)に合わせて対策を設計することが重要です。募集人員・日程・出願資格は年度により変わるため、出願前には必ず龍谷大学が公開する最新の入試要項をご確認ください。
※本記事の募集人員・出願資格・試験科目・日程・受験料等は、掲載時点で龍谷大学公式サイトに公開されていた2027年度の3年次編入学・転入学試験要項等の情報に基づきます。年度により内容が変更される場合があるため、出願の際は必ず龍谷大学が公開する最新の入試要項をご確認ください。
監修者:スプリング・オンライン家庭教師 編集部
執筆者:スプリング・オンライン家庭教師 編集部


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