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鳥取大学編入学試験|TOEIC必須と二段階選抜、検定料返還制度

鳥取大学編入学試験|TOEIC必須と二段階選抜、検定料返還制度

鳥取大学の3年次編入学は、農学部生命環境農学科に絞り込まれた「狭き門」であること、そしてTOEIC(L&R)のスコア提出を出願要件としながら学力筆記試験を課さない「二段階選抜」であることが最大の特徴です。「鳥取大学 編入」を調べると、どの学部・学科で編入できるのか、何を対策すればよいのか、検定料の一部返還制度とは何かといった点で戸惑いがちです。この記事では、鳥取大学が公開する募集要項の一次情報をもとに、対象学科・4教育コース、7パターンの出願資格、二段階選抜の流れ、TOEICの逆算対策、口述試験の準備、出願スケジュールと検定料の一部返還制度、単位認定までを、制度の全体像から順に整理して解説します。

目次

はじめに:鳥取大学の編入で最初に押さえるべき3点

鳥取大学は国立大学であり、編入試験の設計も国立ならではの特徴があります。まず最初に、次の3点を押さえておくと全体像が掴めます。1つ目は、編入できるのは農学部生命環境農学科だけであること。2つ目は、出願にTOEIC(L&R)のスコア提出が必要であること。3つ目は、学力筆記試験がなく、書類選考と口述試験の二段階で合否が決まることです。

この3点は、鳥取大学の編入対策の方向性を大きく規定します。学力筆記がない代わりに、出願書類とTOEICスコア、そして口述試験での受け答えが合否を左右するため、一般的な編入試験のように「専門科目をひたすら勉強する」というアプローチとは準備の重心が異なります。むしろ早めにTOEICのスコアを準備し、志望動機と専門への理解を深めて口述試験に備えるのが王道になります。この違いを最初に理解しておかないと、筆記対策に時間を割きすぎて肝心のTOEICや志願理由書の準備が手薄になる、という失敗に陥りがちです。まずは「何が評価されるのか」を正しく把握することが、効率的な準備の出発点になります。

なお、この記事で紹介する日程・TOEICの基準日・検定料などの数値は、鳥取大学農学部が公表している募集要項(直近で確認できる令和8年度=2026年度入学者向けの内容)に基づいています。編入試験の要項は毎年更新され、出願期間・口述試験日・TOEICスコアの有効期間などが変わるため、実際に出願する年度(令和9年度=2027年度以降)については、必ず鳥取大学入学試験情報の最新の募集要項で確認してください。本記事は制度の骨格を理解するための地図として活用いただき、具体的な数値は一次情報で最終確認するようにしましょう。

この記事がとくに役立つのは、次のような方です。短大・高専・専門学校で農学や生命科学、化学、環境などを学び、国立大学で学士(農学)を目指したい方、大学在学中に進路を見直して農学系へ編入したいと考えている方、そして「鳥取大学の編入は農学部だけと聞いたが、具体的に何を準備すればよいか分からない」と感じている方です。学力筆記がなく、TOEIC・志願理由書・口述試験という3つの柱で選考が進む鳥取大学の編入は、準備の勘所を知っているかどうかで結果が大きく変わります。逆に言えば、制度の特徴を正しく理解し、早めに動けば、狭き門でも十分に狙っていけます。それでは、対象学科の確認から順に見ていきましょう。

編入できるのは農学部生命環境農学科だけ—学部が絞られている理由

鳥取大学で3年次編入学を実施しているのは、農学部生命環境農学科のみです。かつては他学部でも編入の余地がありましたが、鳥取大学の公式情報では地域学部・工学部は平成29年度から編入学試験の募集を停止していることが明記されています。つまり「鳥取大学の工学部に編入したい」「地域学部に編入したい」という希望は、現在の制度では叶いません。

なお、農学部の中でも編入の対象は生命環境農学科に限られます。さらに、医学部については別枠の制度があります。整理すると次のとおりです。

  • 農学部生命環境農学科:3年次編入学(本記事の対象)
  • 医学部医学科:学士編入学(2年次)※別途実施
  • 医学部保健学科看護学専攻:3年次編入学 ※別途実施
  • 地域学部・工学部:平成29年度から編入学試験の募集を停止

こうした募集停止の経緯は古い情報源には反映されていないことがあるため、「かつて工学部に編入できた」という情報を見かけても、現行制度では農学部生命環境農学科のみが対象である点を必ず最新の要項で確認してください。この「学部が絞られている」という事実は、志望者にとって最初の重要な分岐点です。たとえば「農学に関心があり、生命科学や環境、農芸化学を学びたい」という人にとっては明確な受け皿がありますが、「鳥取大学であればどの学部でもよい」という漠然とした志望では、そもそも受験できる枠が生命環境農学科しかないことになります。まずは自分の学びたい分野が生命環境農学科の4教育コースと合致するかを確認するのが出発点です。医学部の編入を検討している場合は、本記事とは別の要項(医学科学士編入・看護学専攻編入)を確認する必要がある点にも注意してください。志望分野の確認は、編入準備の一番はじめに行うべきステップです。

4つの教育コース—国際乾燥地農学から農芸化学まで

生命環境農学科には4つの教育コースがあり、出願時に入学志願票へ志望する教育コースを1つ記入します。それぞれの特色を理解しておくことは、志望動機づくりと口述試験対策の両面で欠かせません。4コースは次のとおりです。

教育コース主な学びの方向性(一般的なイメージ)
国際乾燥地農学乾燥地の農業・環境問題など、国際的な視野での農学
里地里山環境管理学地域資源の保全・活用、里地里山の環境管理
植物菌類生産科学生物資源の発掘・育種、植物・菌類の生産科学
農芸化学生命現象の解明・応用、食品や生命科学に関わる化学

鳥取大学は乾燥地研究で世界的に知られており、国際乾燥地農学コースはその強みを反映した特色あるコースです。里地里山環境管理学は地域の環境保全に、植物菌類生産科学は育種や生物資源に、農芸化学は生命科学・化学的アプローチに関心のある人に向いています。

コース選びで気をつけたいこと・すべきことを対比で示します。

  • すべきこと:自分がこれまで学んできた分野(短大・高専・専門学校での専攻)と、志望コースの学びのつながりを整理する
  • すべきこと:志望コースで扱うテーマを大学の学科・研究室情報で調べ、口述試験で語れるようにする
  • 避けたいこと:コース名の響きだけで選び、そのコースが実際に何を学ぶ場かを理解しないまま出願すること

たとえば、これまで食品科学や化学を学んできた人が農芸化学コースを志望するなら、「これまでの学びを生命現象の解明・応用へと発展させたい」という一貫したストーリーが作れます。志望票にコースを1つ記入する形式である以上、そのコースを選ぶ必然性を自分の言葉で説明できることが、口述試験でも問われる重要なポイントになります。

出願資格は7パターン—自分がどれに該当するかを確認

生命環境農学科の3年次編入学の出願要件は、次の(1)〜(7)のいずれかに該当することとされています(令和8年度要項)。編入時期は4月1日、編入年次は3年次です。

  • (1)学士の学位を有する者
  • (2)短期大学、高等専門学校を卒業した者および卒業見込みの者
  • (3)専修学校の専門課程(農業大学校を含む)を卒業した者および卒業見込みの者
  • (4)大学に2年以上在学した者・在学見込みの者で、62単位以上を修得した者・修得見込みの者(休学期間は除く)
  • (5)大学入学資格を有する者で、高等学校・中等教育学校後期課程・特別支援学校の専攻科の課程(文部科学大臣の定める基準を満たすもの)を修了した者・修了見込みの者
  • (6)外国において学校教育における14年以上の課程を修了した者
  • (7)文部科学大臣が大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者(各種大学校卒業者を含む)

注意点として、(3)の農業大学校や(7)の各種大学校は出願要件に該当しない場合があるため、これらのルートで出願を考えている人は必ず出願前に農学部教務係へ相談するよう要項で案内されています。また(4)の大学在学ルートでは62単位以上が必要で、休学期間は在学期間に含まれない点も見落とさないようにしましょう。

出願資格の確認でやるべきこと・避けたいことは次のとおりです。

  • やるべき:自分がどのパターンに該当するかを1つ特定し、必要な証明書類(卒業証明書・成績証明書など)を早めに準備する
  • やるべき:農業大学校・各種大学校ルートの人は、出願前に必ず教務係へ相談して該当可否を確認する
  • 避けたい:「大学に2年いたから大丈夫」と単位数(62単位)を確認せずに出願準備を進めること

たとえば現在大学2年生で編入を目指す場合、令和8年3月(該当年度の3月)までに62単位以上を修得見込みである必要があります。前期終了時点で単位が不足しそうなら、後期の履修を厚めに組んで確実に基準を満たす計画を立てましょう。

TOEIC提出が出願要件—国立ならではの英語スコア準備

鳥取大学の編入で最も特徴的なのが、出願にTOEIC(L&R)の成績証明書の写しが必要という点です。令和8年度要項では、令和5年11月22日以降に受験したTOEIC(L&R)のスコアが対象とされています。つまり、出願時点で有効期間内のTOEICスコアを持っていなければ出願できないため、受験の準備段階からTOEIC対策を組み込む必要があります。

ここで重要なのは、TOEICは申し込みから受験、スコア証明書の発行までに時間がかかることです。受験日程は限られており、スコアが手元に届くまでにも一定の期間を要します。出願直前に慌ててもスコアが間に合わないおそれがあるため、逆算して早めに受験しておくことが不可欠です。なお、要項で指定される「有効なスコアの受験日」は年度によって更新されるため、令和9年度以降に出願する場合は、その年度の要項で必ず基準日を確認してください(本記事に記載の令和5年11月22日という基準日は令和8年度のものです)。

TOEIC準備で意識したいこと・避けたいことを対比で整理します。

  • 意識したいこと:出願時期から逆算し、余裕をもって複数回受験できるようスケジュールを組む
  • 意識したいこと:スコア証明書の発行・郵送にかかる期間も見込んで受験日を決める
  • 避けたいこと:出願直前に1回だけ受験しようとして、目標スコアに届かない・間に合わないリスクを負うこと

たとえば秋の出願を目指すなら、春〜夏のうちにTOEICを受験しておき、必要に応じて2回目・3回目でスコアを伸ばすという進め方が安全です。TOEICはリスニングとリーディングの2技能を測る試験なので、日々の学習では語彙力の強化と長文読解のスピード向上、リスニングの継続的な訓練を並行して進めるのが効果的です。編入対策の中で英語の比重が高い国立大学だからこそ、TOEICの計画的な準備が合否の土台になります。

二段階選抜の仕組み—書類選考から口述試験へ

鳥取大学の編入選考は、学力筆記試験を課さない二段階選抜で行われます。この点は多くの編入試験と大きく異なるため、対策の方向性を左右する重要なポイントです。選考の流れは次のとおりです。

  • 第1次選考:出願書類による選考(面接は実施しない)。提出された書類のみで通過者を選ぶ。
  • 第2次選考:第1次選考の合格者に対して口述試験を実施。資質・適性・学力を問う。

つまり、まず出願書類(成績証明書、志願理由書、TOEICスコア、シラバス等)で第1次選考が行われ、それを通過した人だけが口述試験に進めます。学力を測る筆記試験がないため、第1次では書類の完成度、第2次では口述での受け答えの質が勝負になります。

この仕組みを踏まえた対策の考え方を、やるべきこと・避けたいことで整理します。

  • やるべき:第1次を通過するために、志願理由書を練り込み、成績証明書・シラバスなど提出書類を丁寧に整える
  • やるべき:第2次に備えて、志望コースの学びへの理解と志望動機を口頭で説明できるよう準備する
  • 避けたい:筆記試験がないからと油断し、書類作成や口述練習を軽視すること

たとえば、第1次選考は書類のみで判定されるため、志願理由書の内容が薄いと口述試験に進む前に不合格となってしまいます。逆に言えば、書類を丁寧に仕上げて第1次を通過し、口述試験でしっかり受け答えできれば、学力筆記がない分、志望動機と専門への熱意で勝負できる試験だといえます。

口述試験の準備—資質・適性・学力をどう示すか

第2次選考の口述試験は、要項で「資質、適性、学力を問うもの」とされています。学力筆記がない分、この口述試験が合否を大きく左右します。令和8年度では口述試験は令和7年11月22日(土)に鳥取大学農学部で実施されました(試験日は年度により異なります)。

口述試験で問われやすいテーマは、一般的に次のような内容が想定されます。

  • 志望動機(なぜ鳥取大学農学部生命環境農学科なのか、なぜそのコースなのか)
  • これまでの学び・研究への取り組みと、それを編入後にどう発展させたいか
  • 志望コースに関連する基礎的な知識・関心の深さ
  • 卒業後の進路や、学んだことをどう活かしたいか

口述試験対策でやるべきこと・避けたいことを対比で示します。

  • やるべき:志願理由書に書いた内容を軸に、想定質問への回答を自分の言葉で準備する
  • やるべき:志望コースで扱うテーマの基礎を学び、関連する時事や関心事を語れるようにする
  • 避けたい:暗記した回答を棒読みすること、志願理由書と話す内容が食い違うこと

たとえば農芸化学コースを志望するなら、「食品の機能性成分に関心があり、短大での化学実験の経験を通じて生命現象を化学的に解明する研究に進みたいと考えた」といったように、過去の経験→関心→志望コースでの学びという流れを一貫して語れるよう準備します。口述試験は対話形式なので、想定外の質問にも落ち着いて自分の考えを述べられるよう、模擬面接などで実践練習を積んでおくと安心です。学力を問う質問に備え、志望分野の基礎知識も一通り整理しておきましょう。

口述試験でとくに差がつきやすいのが、「入学後に何を研究したいか」という将来の学びに関する質問への答え方です。ここで抽象的な回答しかできないと、志望動機の具体性が弱いと受け取られかねません。志望コースの研究テーマや、鳥取大学農学部が力を入れている分野を事前に調べ、「このコースのこうしたテーマに取り組みたい」と具体名を挙げて語れると、準備の深さが伝わります。逆に、質問の意図を取り違えて的外れな回答をしてしまうと、いくら熱意があっても評価されにくくなります。想定質問への回答は丸暗記ではなく要点をおさえた形で準備し、その場で問われた内容に即して柔軟に答える姿勢を持つことが、口述試験を突破する鍵になります。

出願スケジュール—書類とTOEICから逆算する

鳥取大学の編入は秋に集中したスケジュールで進みます。令和8年度(2026年度入学)の日程を例に、全体の流れを示します。年度により日程は変わるため、実際の出願年度の要項で必ず確認してください。

ステップ時期(令和8年度の例)
検定料振込依頼書の請求令和7年10月7日(火)まで
出願期間令和7年10月1日(水)〜10月16日(木)必着
第1次選考結果の発表令和7年10月31日(金)
第2次選考(口述試験)令和7年11月22日(土)9:30〜
最終合格発表令和7年12月1日(月)

このスケジュールから逆算すると、対策の起点は「出願時に有効なTOEICスコアを持っていること」です。10月中旬の出願に間に合わせるには、遅くとも夏までにはTOEICを受験してスコアを確保しておく必要があります。さらに、出願書類(志願理由書・シラバス・各種証明書)の準備にも時間がかかるため、9月には書類作成に着手したいところです。

逆算スケジュールの考え方を、時期ごとに整理します。

  • 春〜夏:TOEIC受験(複数回のチャンスを確保)、志望コースの研究、志望動機の整理
  • 9月:出願書類(志願理由書・シラバス・証明書類)の準備、検定料振込依頼書の請求
  • 10月:出願(10月中旬締切)、第1次選考結果を待つ
  • 11月:第1次通過後、口述試験に向けた最終準備・模擬面接
  • 12月:最終合格発表

とくに注意したいのが、検定料の振込に「振込依頼書」の請求が必要で、その請求期限(令和8年度では10月7日まで)が出願締切より前に設定されている点です。出願手続きは「振込依頼書を請求する→検定料を振り込む→出願書類を提出する」という段取りになるため、締切ぎりぎりに動くと間に合いません。早めに手続きの流れを把握しておきましょう。

検定料と一部返還制度—第1次不合格で23,000円返還

鳥取大学の編入で珍しいのが、検定料の一部返還制度です。検定料は30,000円ですが、第1次選考で不合格になった場合、23,000円が返還されます。これは、農学部第3年次編入学試験が第1次選考で面接(口述)を実施しないため、第1次不合格者に対して検定料の一部を返す仕組みになっているものです。

これは国立大学の編入試験としては比較的珍しい配慮で、書類選考の段階で不合格になった受験者の経済的負担を軽くする仕組みといえます。この制度により、実質的な負担は次のように整理できます。

  • 第1次選考で不合格 → 30,000円のうち23,000円が返還され、実質負担は7,000円
  • 第1次を通過し第2次(口述試験)へ進む → 30,000円の検定料は返還されない

つまり、第2次選考に進んだ時点で検定料は満額かかりますが、書類選考の段階で不合格となった場合には大部分が戻ってくるということです。返還を受けるには「検定料振込済証明書」や「検定料振込金(兼手数料)受取書」が必要になるため、これらの書類は大切に保管しておきましょう。

なお、この一部返還制度のほかにも、検定料を振り込んだが出願しなかった場合、出願が受理されなかった場合、誤って二重に振り込んだ場合などにも返還の対象となります。いずれの場合も農学部教務係へ連絡が必要です。検定料の振込は指定された期間内(令和8年度では10月1日〜16日)に行う点にも注意してください。国立大学の編入でこうした一部返還制度があるのは受験者に配慮した設計といえますが、返還の条件や必要書類を正しく理解しておくことが前提になります。

単位認定と卒業までの流れ—2年で卒業できない場合も

編入後に気になるのが、これまで修得した単位がどれだけ認定されるか、そして2年間で卒業できるかという点です。鳥取大学農学部の要項では、単位認定について次のように定められています。

  • 編入学以前に出身校で修得した単位のうち、農学部で開講する授業科目に相当するものを単位認定する
  • 認定できる既修得単位は合計60単位まで(うち生命環境農学科の全学共通科目教育課程表に定める科目に相当する既修得単位は33単位まで
  • 2年以上在学し所定の単位を修得することで学士(農学)の学位が授与される
  • 編入学生は、卒業に必要な単位や資格取得に必要な単位を2年間で修得できないことがある

ここで重要なのは、認定単位数によっては2年間での卒業が難しくなる場合があると要項に明記されている点です。編入=必ず2年で卒業できる、というわけではありません。とくに資格取得を目指す場合や、出身校での履修内容が農学部のカリキュラムと大きく異なる場合には、追加の履修が必要になり、在学期間が延びる可能性があります。

入学後のミスマッチを防ぐために、やるべきこと・避けたいことを整理します。

  • やるべき:出願前・入学前に、自分の履修内容がどの程度認定されそうか大学へ相談しておく
  • やるべき:2年での卒業が前提の資金計画・キャリア計画を立てる場合は、単位認定の見通しを確認する
  • 避けたい:「編入すれば必ず2年で卒業できる」と思い込んで進路を組み立てること

たとえば教員免許など資格取得を編入後に目指す場合は、必要な科目を2年間で履修しきれるかを事前に確認しておくと安心です。単位認定の見通しは個々の履修状況によって異なるため、不安があれば農学部教務係に相談するのが確実です。

出願書類の準備で気をつけたいこと

第1次選考が書類のみで行われる以上、出願書類の完成度は極めて重要です。令和8年度要項で求められる主な提出書類を整理します。

  • 入学志願票(志望教育コースを1つ記入)
  • 写真票・受験票
  • 志願理由書(志望の動機、卒業後の希望、進路等を記入)
  • 検定料振込済証明書(貼付票に貼付)
  • 出身学校等の成績証明書(修得見込み科目は評価欄に○印)
  • 成績証明書に記載の全授業科目のシラバス(または授業内容が分かる資料)
  • 卒業証明書または卒業見込証明書
  • TOEIC(L&R)の成績証明書の写し
  • 農林業に関する資格や、地方自治体の首長等からの証明書(任意・該当者のみ)
  • 返信用封筒

とくに手間がかかるのが、成績証明書に記載された全授業科目のシラバスを提出するという要件です。これは単位認定の判断材料にもなるため、出身校でシラバスを入手し、該当部分が分かるよう整理して提出する必要があります。冊子の場合は付箋等で該当箇所を示すよう案内されています。

書類準備でやるべきこと・避けたいことは次のとおりです。

  • やるべき:成績証明書・卒業証明書・シラバスなど、出身校に依頼が必要な書類は早めに手配する
  • やるべき:農林業関連の資格(日本農業技術検定など)を持っている場合は、証明書類を用意して任意提出する
  • 避けたい:記入漏れや不備のまま提出すること(不備があると出願書類が受理されない)

要項では、提出書類に記入漏れその他の不備がある場合は出願を受理しないと明記されています。また出願書類の受付後は出願事項の変更が認められないため、提出前にコース選択や記載内容を十分に確認しましょう。志願理由書は口述試験でも参照される重要書類なので、時間をかけて練り込むことをおすすめします。

合格に向けた準備の全体戦略

ここまでの内容を踏まえ、鳥取大学農学部生命環境農学科の編入に向けた準備の全体像を整理します。学力筆記がない二段階選抜だからこそ、対策の重心は「TOEIC」「志願理由書」「口述試験」の3つに置くのが基本です。

  • TOEIC:出願要件。早めに受験してスコアを確保。有効期間内のスコアであることを要項で確認する。
  • 志願理由書・出願書類:第1次選考の合否を決める。志望動機を練り込み、シラバスや証明書類を漏れなく整える。
  • 口述試験:第2次選考の合否を決める。志望コースへの理解と志望動機を、自分の言葉で語れるよう練習する。

この3点に共通するのは、いずれも「早めの準備」と「志望動機の一貫性」がカギになることです。TOEICは直前では間に合わず、志願理由書と口述試験は内容の一貫性が問われます。たとえば「乾燥地の食料生産に関心がある」という軸を持っているなら、それを志願理由書に書き、口述試験でも同じ軸で語り、国際乾燥地農学コースを志望する必然性として示す——このように一本の線でつながった準備ができると、書類・口述の両面で説得力が高まります。

編入は情報収集と自己表現が重要な試験です。とくに鳥取大学のように学力筆記がなく志望動機が重視される選抜では、自分の経験と学びたいことをどう結びつけて語るかが問われます。独力での準備に不安がある場合は、志願理由書の添削や口述試験の模擬面接など、編入対策の経験がある指導者のサポートを受けることも有効な選択肢です。

生命環境農学科での学びと研究の特徴

志望動機を深めるためには、生命環境農学科がどんな学びを提供しているのかを理解しておくことが欠かせません。生命環境農学科は「食料・環境・生命」を大きなテーマに掲げ、乾燥地の農業や環境問題、地域資源の保全や活用、生物資源の発掘や育種、生命現象の解明や応用といった幅広い分野を扱います。鳥取大学のアドミッションポリシーでも、これらの領域を主体的に探究する意欲を持つ人を求めていることが示されています。

4つの教育コースは、それぞれ異なるアプローチで農学に迫ります。国際乾燥地農学コースは、鳥取大学が世界的に強みを持つ乾燥地研究を土台に、国際的な食料・環境問題に取り組みます。里地里山環境管理学コースは、日本の地域環境や生態系の保全・活用に焦点を当てます。植物菌類生産科学コースは、植物や菌類を対象とした育種・生産技術を探究します。農芸化学コースは、生命現象を化学的に解明し、食品や生命科学への応用を目指します。

志望動機づくりでやるべきこと・避けたいことを対比で整理します。

  • やるべき:志望コースが扱う具体的なテーマ(乾燥地農業、環境保全、育種、生命化学など)を調べ、自分の関心と結びつける
  • やるべき:これまでの学びや実習・研究の経験を、志望コースの学びへの橋渡しとして整理する
  • 避けたい:「農学に興味がある」という抽象的な動機のまま、コース固有の学びに触れずに出願すること

たとえば、短大や専門学校で食品や栄養を学んできた人が農芸化学コースを志望するなら、「食品の成分分析を通じて生命現象への関心が深まり、より基礎的な生命化学を体系的に学びたい」という形で、過去の学びと志望コースを自然につなげられます。生命環境農学科の学びの幅広さを理解しておくことは、志願理由書と口述試験の両方で説得力を生む土台になります。

志願理由書の書き方—第1次選考を突破する鍵

鳥取大学の編入では、第1次選考が出願書類のみで行われるため、志願理由書の完成度がそのまま合否に直結します。要項では、志願理由書に「志望の動機、卒業後の希望、進路等」を記入するよう求められています。合格につながる志願理由書には、次の3つの要素が一貫してつながっていることが重要です。

  • なぜ編入するのか(現在の学びを踏まえた問題意識・発展の方向性)
  • なぜ鳥取大学農学部生命環境農学科の、そのコースなのか(大学・コース選択の必然性)
  • 入学後・卒業後に何をしたいのか(研究テーマや将来像)

志願理由書でやってはいけないこと・やるべきことを対比で示します。

  • やってはいけない:どの大学の農学部にも当てはまる一般論だけで終わること
  • やるべき:鳥取大学ならではの強み(乾燥地研究など)や志望コースの特色に具体的に触れること
  • やってはいけない:現在の学校への不満を並べるだけのネガティブな動機
  • やるべき:これまでの学びを土台に次のステップへ進むという、前向きで連続性のあるストーリーを描くこと

たとえば国際乾燥地農学コースを志望するなら、「地球規模の食料問題に関心を持ち、乾燥地における持続的な農業生産を研究したい。鳥取大学は乾燥地研究の拠点であり、その環境で学ぶことが自分の目標に直結する」といったように、鳥取大学を選ぶ理由を具体的に示します。志願理由書は口述試験でも参照される重要書類なので、書いた内容は口頭でも説明できるように、自分の言葉で練り上げておくことが大切です。第1次を通過できなければ口述試験にも進めないため、ここに最も時間をかける価値があります。

国立大学の編入という選択肢—鳥取大学の位置づけ

鳥取大学は国立大学であり、国立大学への編入には私立大学とは異なる特徴があります。まず学費面では、国立大学は入学料・授業料が全国的に標準化されており、鳥取大学農学部の要項でも入学料282,000円(予定額)、授業料は年額535,800円(予定額)と示されています(金額は改定される可能性があります)。私立大学に比べて学費負担を抑えやすい点は、国立大学編入の大きな魅力です。

一方で、国立大学の編入は募集人員が「若干名」と少なく、狭き門になりやすい傾向があります。鳥取大学農学部生命環境農学科も募集人員は若干名で、志望者にとっては競争率が読みにくい試験です。だからこそ、書類・TOEIC・口述試験のいずれも高い完成度で仕上げることが求められます。

国立大学編入を検討する際に意識したいこと・避けたいことを整理します。

  • 意識したいこと:募集人員が少ないため、書類・口述の完成度で確実に差をつける準備をする
  • 意識したいこと:TOEICなど英語スコアが出願要件になる国立大学が多く、早期の英語対策が重要
  • 避けたい:「国立だから安心」と油断し、対策の質や情報収集を怠ること

たとえば、学費負担を抑えつつ農学を専門的に学びたいという人にとって、鳥取大学農学部生命環境農学科は魅力的な選択肢です。ただし狭き門である以上、TOEICスコアの確保と志願理由書・口述試験の準備を早めに進め、他の受験者と差をつける意識を持つことが合格への近道になります。国立大学の編入は情報が限られがちなので、公式の募集要項を軸に、志望コースや研究内容まで踏み込んで調べる姿勢が、そのまま志望動機の説得力にもつながります。

TOEIC対策の具体的な進め方

出願要件であるTOEIC(L&R)は、リスニングとリーディングの2技能を測る試験です。編入対策の一環として、計画的にスコアを伸ばす取り組みが必要になります。ここでは技能別の対策の考え方を整理します。

リスニングは、日常的に英語を聞く習慣を作ることが基本です。TOEICのリスニングは会話やアナウンスなど実務的な場面が中心なので、公式問題集などで出題形式に慣れ、聞き取れなかった箇所を繰り返し確認する学習が効果的です。リーディングは、語彙力・文法力を土台に、長文を速く正確に読む力が問われます。時間配分がシビアな試験のため、時間を計った演習で読解スピードを高めておくことが重要です。

TOEIC対策でやるべきこと・避けたいことを対比で示します。

  • やるべき:公式問題集や過去問形式の教材で出題傾向に慣れ、本番同様の時間配分で演習する
  • やるべき:語彙を継続的に増やし、頻出単語・ビジネス表現を優先的に覚える
  • 避けたい:出願直前に一夜漬けで対策しようとすること(スコアは短期間では伸びにくい)
  • 避けたい:受験を1回だけに絞り、目標スコアに届かないリスクを負うこと

たとえば、春の時点でTOEICの現状スコアを把握し、夏までに複数回受験して目標スコアを確保する計画を立てれば、秋の出願に余裕をもって臨めます。TOEICは編入試験の出願要件という「入口」であると同時に、大学入学後の学びにも役立つ英語力の指標です。単なる受験対策としてではなく、実力そのものを高める意識で取り組むと、口述試験で英語や国際的な関心について問われた際にも自信を持って答えられます。

医学部の編入との違い—別枠であることに注意

鳥取大学には医学部の編入制度もありますが、これは本記事で扱う農学部の編入とはまったく別の制度です。混同しないよう、違いを整理しておきます。医学部医学科は「学士編入学」として2年次への編入を実施しており、保健学科看護学専攻は3年次編入学を別途実施しています。これらは農学部生命環境農学科の3年次編入とは、出願資格・選考方法・日程・試験内容が異なります。

とくに医学部医学科の学士編入は、学士の学位を持つ人を対象とした2年次編入であり、農学部の3年次編入とは編入年次も対象も異なります。「鳥取大学に編入したい」と考えたとき、自分が目指すのが農学なのか、医学・看護なのかによって、確認すべき要項がまったく変わる点に注意してください。

志望先を確認する際のポイントは次のとおりです。

  • 農学(食料・環境・生命)を学びたい → 農学部生命環境農学科の3年次編入(本記事の対象)
  • 医学を学びたく学士を持っている → 医学部医学科の学士編入(2年次・別要項)
  • 看護を学びたい → 保健学科看護学専攻の3年次編入(別要項)

このように、鳥取大学の編入は学部・分野によって制度が分かれています。本記事は農学部生命環境農学科の編入に焦点を当てたものなので、医学部・看護学専攻を志望する場合は、それぞれの最新の募集要項を必ず確認するようにしてください。

編入のメリット・デメリットと向いている人

最後に、鳥取大学農学部への編入を検討するうえで、編入という選択そのもののメリット・デメリットを整理しておきます。制度の理解だけでなく、自分にこのルートが向いているかを見極めることも大切だからです。

メリットとしては、短大・高専・専門学校で農学や関連分野を学んだ後に、国立大学で学士(農学)を目指せること、学力筆記試験がないため志望動機と英語スコアで勝負できること、国立大学のため学費負担を抑えやすいこと、そして第1次不合格時には検定料の一部が返還されることが挙げられます。一方でデメリット・注意点としては、募集人員が若干名で狭き門であること、TOEICスコアの準備に時間がかかること、単位認定次第で2年間での卒業が難しくなる場合があることが挙げられます。

編入が向いている人・慎重に検討したい人を対比で示します。

  • 向いている人:農学の特定分野(乾燥地農業・環境・育種・生命化学など)に明確な関心があり、志望動機を語れる人
  • 向いている人:TOEICなどの準備を早めに計画的に進められる人
  • 慎重に検討したい人:学びたい分野が曖昧で、生命環境農学科の4コースと関心が結びつかない人
  • 慎重に検討したい人:単位認定や卒業年数の見通しを確認せずに勢いだけで決めようとする人

たとえば「食料問題や環境保全を農学の視点から研究したい」という明確な目標があり、TOEICの準備を計画的に進められる人は、鳥取大学農学部の編入というルートを活かしやすいといえます。逆に目的が定まっていない場合は、まず何を学びたいのかを整理し、それが生命環境農学科の学びと合致するかを確認することから始めるのが、遠回りに見えて確実な第一歩です。

よくある失敗例と回避策

鳥取大学農学部の編入で実際に起きやすい失敗パターンと、その回避策をまとめます。制度の特徴を理解していないことが原因のものが多く、事前に知っておくだけで防げます。

失敗例回避策
TOEIC受験が遅れ、出願時に有効なスコアが間に合わない春〜夏のうちに受験し、複数回のチャンスでスコアを確保する
農学部以外(工学部・地域学部)に編入できると思っていた編入は生命環境農学科のみ。他学部は募集停止と理解する
第1次選考が書類のみと知らず、志願理由書が薄いまま提出志願理由書に最も時間をかけ、第1次突破を最優先する
全授業科目のシラバス提出に手間取り、出願に間に合わない出身校でシラバスを早めに入手し、整理して準備する
検定料振込依頼書の請求期限が出願締切より前だと気づかない手続きの段取り(依頼書請求→振込→出願)を早めに把握する

共通する教訓は、「学力筆記がない=簡単、ではない」ということです。むしろTOEIC・書類・口述という別の準備が必要で、いずれも時間がかかります。とくにTOEICと全授業科目のシラバス準備は、思い立ってすぐに用意できるものではありません。志望が固まったら、出願時期から逆算して「いつまでに何を準備するか」をチェックリスト化しておくと、直前の慌てを防げます。不明点は早めに鳥取大学農学部教務係へ問い合わせ、確実な一次情報に基づいて準備を進めましょう。

過去問・情報収集の進め方

鳥取大学の編入は学力筆記試験がないため、一般的な意味での「過去問対策」の比重は小さく、代わりに制度・要項の正確な理解と、口述試験・志願理由書の準備に情報収集の重心が移ります。とはいえ、何をどう調べるかで準備の質は大きく変わります。

情報収集でやるべきこと・避けたいことを整理します。

  • やるべき:鳥取大学入学試験情報のサイトで、志望年度の募集要項(出願資格・日程・TOEIC基準日・提出書類)を最優先で確認する
  • やるべき:生命環境農学科の各コース・研究室の情報を大学公式サイトで調べ、志望動機と口述試験の材料にする
  • やるべき:TOEICの公式教材で英語スコアを計画的に伸ばす
  • 避けたい:出所の不確かなネット情報だけを頼りに、古い制度(募集停止前の他学部情報など)を前提にしてしまうこと

とくに注意したいのは、鳥取大学は地域学部・工学部の編入を平成29年度から停止しているため、古い情報を参照すると「他学部でも編入できる」と誤解しかねない点です。必ず最新の要項で、現在の制度を確認しましょう。口述試験の具体的な内容については公開情報が限られるため、志願理由書の内容を軸に想定質問を洗い出し、志望コースの学びへの理解を深めておくのが実践的な準備になります。

出願から入学までの流れと入学後の心構え

最後に、出願から入学、そして入学後までの流れを俯瞰しておきます。全体像を持っておくと、いま自分が何を準備すべきかが明確になります。

流れを時系列で示すと次のとおりです。まず出願準備として、有効なTOEICスコアの確保、志願理由書の作成、成績証明書・卒業証明書・全授業科目のシラバスなど書類の手配を行います。次に出願(10月中旬締切の例)を経て、第1次選考(書類のみ)の結果が10月末に発表されます。第1次を通過すると11月下旬に口述試験があり、12月上旬に最終合格が発表されます。合格後は、令和8年3月(該当年度の3月)の指定期間に入学手続きを行い、4月に3年次生として入学します。

入学後に想定しておきたいこと・避けたい思い込みを整理します。

  • 想定しておくこと:単位認定は合計60単位(全学共通科目相当33単位)までで、認定次第では2年間での卒業が難しい場合もある
  • 想定しておくこと:編入生は3年次から専門的な学びに合流するため、基礎知識の自主的な補強が求められることがある
  • 避けたい思い込み:「合格=2年で必ず卒業」と決めてかかること

たとえば、卒業後すぐに就職や進学を予定している場合は、単位認定の見通しを事前に確認し、2年間で必要単位を修得できる計画かどうかを見極めておくと安心です。編入は新しい環境での学びのスタートでもあるため、志望コースの専門分野について入学前から関心を深めておくと、入学後のスムーズな適応につながります。出願から入学までの流れを早い段階で把握し、各ステップに余裕をもって取り組むことが、狭き門を突破するための土台になります。

併願を考えるときの戦略

鳥取大学農学部生命環境農学科は募集人員が若干名の狭き門であるため、他大学の編入試験との併願を検討する人も少なくありません。併願を考える際は、いくつかの観点で戦略を立てておくと、対策が分散して共倒れになるのを防げます。

併願戦略でやるべきこと・避けたいことを対比で示します。

  • やるべき:本命を1つ決め、その対策を軸に据えたうえで、日程が重ならない大学を併願候補にする
  • やるべき:TOEICなど共通で使えるスコアや、志望動機の核となる関心を、複数の出願で活用できるよう整理する
  • 避けたい:試験内容が大きく異なる大学を無計画に多数併願し、どれも中途半端になること

鳥取大学のようにTOEICスコアを出願要件とする編入試験は他の国立大学でも見られるため、TOEICの準備は複数校の併願で共通して活きます。一方で、鳥取大学は学力筆記がなく口述試験中心という独特の選考のため、筆記試験を課す大学と併願する場合は、筆記対策と口述・書類対策を並行して進める負担が生じます。たとえば「鳥取大学(口述中心)を本命にしつつ、TOEICスコアが使える他の農学系編入を併願する」といった形で、準備の共通項が多い組み合わせを選ぶと効率的です。併願する場合も、それぞれの大学の出願資格・日程・提出書類を個別に確認し、鳥取大学の準備が手薄にならないよう配分を管理しましょう。

よくある質問

Q1. 鳥取大学の農学部以外の学部に編入できますか?
A1. 3年次編入学を実施しているのは農学部生命環境農学科のみです。地域学部・工学部は平成29年度から編入学試験の募集を停止しています。医学部医学科(学士編入・2年次)と保健学科看護学専攻(3年次)は別途実施されているため、該当する場合はそれぞれの要項を確認してください。

Q2. 学力を測る筆記試験はありますか?
A2. ありません。選考は二段階で、第1次は出願書類のみによる選考、第1次通過者だけが第2次の口述試験に進みます。学力筆記がない分、書類の完成度と口述試験での受け答えが合否を左右します。

Q3. TOEICはいつ受験したものが有効ですか?
A3. 令和8年度要項では、令和5年11月22日以降に受験したTOEIC(L&R)のスコアが対象とされていました。有効な受験日は年度ごとに更新されるため、実際に出願する年度の募集要項で必ず確認してください。スコア証明書の発行に時間がかかるため、早めの受験が必要です。

Q4. 検定料は返還されますか?
A4. 第1次選考で不合格になった場合、検定料30,000円のうち23,000円が返還されます(第1次で面接を実施しないため)。このほか、振り込んだが出願しなかった場合や二重振込の場合なども返還対象です。いずれも農学部教務係への連絡が必要です。

Q5. 単位はどの程度認定されますか?
A5. 既修得単位は合計60単位まで(うち全学共通科目相当は33単位まで)認定されます。ただし認定単位数によっては、卒業や資格取得に必要な単位を2年間で修得できない場合があると要項に明記されています。

Q6. 出願にはどんな書類が必要ですか?
A6. 入学志願票、写真票・受験票、志願理由書、成績証明書、全授業科目のシラバス、卒業(見込)証明書、TOEIC成績証明書の写し、検定料振込済証明書、返信用封筒などです。とくに全授業科目のシラバス提出は手間がかかるため、早めに準備しましょう。

Q7. 教育コースはどう選べばよいですか?
A7. 国際乾燥地農学・里地里山環境管理学・植物菌類生産科学・農芸化学の4コースから、出願時に1つを志願票に記入します。自分のこれまでの学びや関心と合致するコースを選び、その必然性を口述試験で語れるようにしておくことが重要です。

Q8. 大学に在学中でも編入できますか?
A8. できます。出願資格(4)として、大学に2年以上在学した者・在学見込みの者で62単位以上を修得(見込)した者が対象に含まれます(休学期間は除く)。ただし現在の大学を辞めて移る「編入学」と、籍を移す「転入学」で必要書類が異なる場合があるため、要項を確認してください。

Q9. 農業大学校や各種大学校の卒業者も出願できますか?
A9. 出願要件(3)(7)に該当する可能性がありますが、農業大学校や各種大学校は出願要件に該当しない場合があると要項に明記されています。これらのルートで出願を考える場合は、必ず出願前に鳥取大学農学部教務係へ相談してください。

Q10. 学力筆記がないなら、専門の勉強は不要ですか?
A10. 不要ではありません。口述試験は「資質・適性・学力」を問うものとされているため、志望コースに関連する基礎知識や関心を口頭で示せるよう準備しておく必要があります。筆記試験の代わりに、口述で学力や意欲が評価されると考えましょう。

まとめ

鳥取大学の3年次編入学は、農学部生命環境農学科1学科に絞り込まれた狭き門であり、TOEIC(L&R)のスコア提出を出願要件としながら学力筆記試験を課さない二段階選抜(出願書類→口述試験)という、国立大学ならではの制度設計が特徴です。攻略の順序は明快で、①編入できるのは生命環境農学科だけで4教育コースから1つ選ぶことを理解する、②出願資格7パターンのどれに該当するかを確認する、③有効なTOEICスコアを早めに準備する、④志願理由書と口述試験で志望動機を一貫して語れるようにする、という流れです。

とくにTOEICの早期準備、第1次選考が書類のみである点、第1次不合格時の検定料23,000円返還、単位認定次第で2年卒業が難しい場合がある点は見落とされやすいので、この記事を手がかりに一つずつ確認してください。日程・TOEICの基準日・検定料などの数値は年度で更新されるため、実際に出願する令和9年度(2027年度)以降については、必ず鳥取大学入学試験情報の最新の募集要項で確認しましょう。

鳥取大学農学部生命環境農学科の編入は、学力筆記に自信がない人でも、明確な志望動機と計画的なTOEIC準備、そして丁寧な出願書類があれば挑戦できる試験です。乾燥地農学から農芸化学まで、鳥取大学ならではの特色ある学びに惹かれ、そこで何を研究したいかを自分の言葉で語れる人にとっては、大きなチャンスがあります。まずは「自分が生命環境農学科のどのコースで、何を学びたいのか」を固め、そこから出願資格・TOEIC・書類・口述試験の準備を逆算して進めていきましょう。TOEICの計画的な準備と、志望動機の言語化に不安があれば、志願理由書の添削や模擬面接など、編入対策の経験がある専門家のサポートを受けるのも有効です。準備の初動を早めるほど、狭き門を突破する可能性は着実に高まります。この記事が、あなたの編入準備の最初の地図として役立てば幸いです。

監修者:スプリング・オンライン家庭教師 編集部
執筆者:スプリング・オンライン家庭教師 編集部

※本記事の日程・出願資格・TOEIC基準日・検定料・単位認定等は、鳥取大学農学部が公表する第3年次編入学学生募集要項(令和8年度=2026年度入学者向け)に基づいて作成しています。制度・日程は年度により変更される場合があるため、出願にあたっては必ず鳥取大学入学試験情報の最新の募集要項をご確認ください。

この記事の監修・執筆者

春山 雅人スプリング・オンライン 大学編入指導講師

短期大学から筑波大学へ編入。その後、法学政治学研究科へ進学。自身の編入経験に基づく指導で、多数の大学編入試験合格者を輩出している。運営会社: 株式会社スプリングナレッジ(スプリング・オンライン家庭教師運営元)。運営者情報はこちら

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